まさかKさんに直接電話をして聞くわけにもいかない。
少し珍しい名前だったので、
同姓同名の別人・・・という事はないだろう・・・と思っていたが
心のどこかではやっぱり間違いであってほしい、と思っていた。
お通夜会場へ行くと
夫の葬儀の時に弔辞を読んでくれた方がいた。
・・・
受付の先にモニターがあり、
故人の写真がスライドショーで流れていた。
・・・やはり、彼女だった。
受付を済ませ、
少し時間があったので安置されている小さな棺に近づきお顔を見る。
信じられなかったけど、
たくさんの花に囲まれた女性は
Kさんの奥さんだった・・・。
なんてことだ・・・。
お通夜が終わり、最後のお別れという事で
参列者が順に彼女の顔を見に並んだ。
自分も係りの人に促されて列に並び
もう一度彼女の顔を見て
息子さん二人に挨拶をした。
その時、少しその場を離れていたKさんが戻ってきて
私の顔を見て驚いた表情をした。
「どうしてここに?どうやって知ったの?」と。
「偶然新聞の訃報欄を見ました。・・・驚きました」
「来てくれて、ありがとう。逆バージョンになっちゃったよ」と
Kさんは寂しそうに微笑んで・・・。
自分は何も言えず、頭を下げてその場を後にするしかなかった。
会場には席に座れずにずっと立っていた人たちもいて
大勢の参列者がいた。
知っている人のお通夜は・・・正直辛い。