R君本人に告知するかどうか悩み、
もうしばらく様子を見る事に決めたのが
R君が高校2年生になった春だった。
このまま何事もなくあと2年間無事に高校へ通えればいいな・・・と
思っていたのだが・・・。
月曜日、20時すぎに帰って来たR君が台所に入ってくると
「今日の夕飯は★★●●だね」と言い、鍋を覗き込んでいた。
家に入って夕飯を推測するのが日課になっていた。
火曜日、R君が不機嫌な様子で学校から帰ってきた。
ちょうど体育があった日、
また何か言われてしまったのだろうか・・・と
思ったが本人が何も言わないので黙って様子を見ていた。
水曜日、「お腹が痛いから夕飯いらない」と夕方メールが届く。
・・・やはり何かがあった!!・・・。
「帰るメール」もなく無言のまま帰宅し
すぐに部屋に入ってしまったR君。
とりあえず声をかけお風呂に入るように言い、
その日はそのままにしておいた。
一晩寝れば少しは機嫌がよくなるかもしれない・・・と。
木曜日、何となく不機嫌な感じだったが朝の挨拶はしたので
少しだけほっとする。
また「夕飯いらない」と言うようなら
今度はちゃんと言わないといけない、
何があったか聞かないといけない・・・と心に決めていた。
その日は「夕飯いらない」メールもなく、
駅からの「電車乗った」メールもちゃんと届いた。
夕飯を前にしてなかなか食べようとしないR君。
やがてぽつりぽつりと話し始めた。
問題は大きく分けて2つあった。
一つは応援団の練習。
もう一つはクラスでの関わり合い。
・練習日の連絡がこなかったので練習に行かなかったら団長に怒られた。
・耳元でメガホンで怒鳴られる。
・メガホンで頭をパシパシ叩かれる。
・大声が出せないのに大声を出せと
強制的に発声練習(どうやら校歌を歌ったらしい)
・団長の顔など見たくもない、練習にも行きたくない。
・今すぐに応援団を辞めたい。
・クラスでヘンなあだ名で呼ばれる。やめてと言ってもやめてもらえない。
(意味の分からないあだ名は侮辱されたと感じる)
・みんなが自分の事をジロジロ見て笑う。
・体育の時に準備運動でペアになったクラスメイトが「重い」と言った。
・水泳の授業も身体を見られたくない。
・ただ、不登校になる気はない。
・・・練習のメールがこなかったのは問題だと思う。
しかし大声を出す事は運動部に入っていれば
当たり前にある事なのかもしれないし
練習次第では大声も出せるようになる。
R君は中学時代は卓球部だったが
そのような大声を出す事はなかったのだろうか・・・。
クラスメートについても思春期特有のもののような感じもするし
R君の「思い込み」の可能性も否定できない。
しかしR君が困っているのは事実だ。
金曜日の応援練習は休んで早めに帰っておいでと伝えると
その通りに早く帰って来たR君。
親としてこれは何とかしないといけない・・・と思った。